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綱引き

小学生の頃、

一番嫌いだったのは体育。

体力不足だったのもありますが、

その理由として強く記憶にあるのが

サッカーの授業です。

ゴール近くでボールを蹴ると

「オフサイド!」と言われました。

「オフサイドってなに?」

つい声にしたところ

「お前、そんなのも知らないの?」と

教室での授業では静かな数名に混ざって

体育の先生までが大きな声で叫んでいました。

「オフサイドを知らないのは、そんなに恥ずかしい事・・・?」

しかし、もし授業で習っていたとしたら

それは、自分に責任があるわけで、

ネットのない時代、

図書室に行って「オフサイド」を発見。

相手側と自分との選手の位置関係でオフサイドラインが想定され

それを超えた位置でボールを受けるとオフサイドとして反則扱いになる・・・

・・・・

絶対、習っていないし・・・・

教えていない事で叱るなんて・・・

礼儀作法で叱られるならともかく

意味不明なオフサイドで罵倒されるなんて・・・・。

「体育の先生は、学校の先生の仲間ではない!」

小学生の頭で思いました。

 

そのような経緯もあって運動会も大嫌いでした。

団体競技は、運動能力の低い1人が足を引っ張ると

全体に迷惑をかけるため、

他人に無慈悲な子供の世代では容赦ない状態になりがちです。

運動会が近づく天気予報が気になって

てるてる坊主を逆さまに吊るして神頼みもしていました。

が・・・・多くの場合では、スーパー晴天、

「今日は地獄の運動会♪UFO地球に攻めて来い!♪」

嘉門達夫の歌詞には重さを感じます。

 

そんな体育嫌いの自分でしたが、

体育が大好きな同級生とはなぜか仲良しで

その彼から運動会が近いある日に相談がありました。

「隣のクラスに綱引きで勝ちたい!」

どうやら隣のクラスのジャイアンタイプとは普段は仲良しですが、

なぜ綱引きだったかは覚えていないのですが

とにかく、勝ちたいみたいでした。

そんな相談を自分にしても・・・と思ったのですが

自画自賛的ですが、当時、

何超真剣に考えるタイプだった記憶があり、

そこで、綱引きに勝つ方法について考察しました。

最も確かな方法は、クラス全員の体力の総合力のアップですが、

これは、短期間では難しく、

特に自分は最も無理です。

次はタイミングを合わせる練習の積み重ねですが

元々、運動会に興味が薄い生徒も多く、

そこで、考えたのは

「最後に勝っていれば良い作戦」

記憶では、綱引きのルールは、

スタートから15秒引き合って決着が確定するルールだったはず、

一般的な中央の印がラインを超えて終わりだった気もするのですが、

スタートの合図で全員が一歩前に出て

後方に体制を作っている相手側の姿勢を崩し

そこから全力で引っ張る作戦。

ジャイアンはこの案を聞いて目をキラキラさせていました。

クラスで提案した際には、

ほとんど全員の目がキラキラになりました。

 

そして、当日

綱引きが近づくと、

同級生の笑顔が止まりません・・・・。

一体感、すごかったです。

そして、綱引きスタート。

息ぴったりで全員が一歩前に。

後方にバランスを崩す相手クラス。

そのタイミングで

綱につながった地面の上の人状態で圧勝。

ですが、観覧席からの応援は消え、静まる運動会。

 

翌日は振替休日で、その翌日

つまり翌々日、

担任は怒っていました。

激怒していました。

 

「あれは偶然じゃないハズだ。誰が考えた!」

 

「うー、考えたのは自分だなぁ・・・。」

そう思いながら、挙手をしようとすると

ジャイアンが力いっぱい手を上げました。

すごい!

躊躇した自分が恥ずかしくなったのを覚えていますが。

しかし、すぐに先生から

 

「いや、お前じゃない。考えたのは誰だ?!」

 

そして、自分が手を上げると

二人で職員室に来るように言われました。

 

(長いので続きます)

 

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