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運動と数式3

今日は4月30日

今月もついに終わりです。

明日の5月1日から5月5日まで休業ですが、

お店にはそこそこ在住の予定です。

 

今日は超晴天です!

 

小学生の頃の次男との会話、

続きです。

 

運動会の翌日、

先生は怒っていました。

教室に入るなり、

運動会での綱引きの快挙を称賛することもなく

「あれを考えたのは誰だ!」

首謀者捜しが始まりました。

 

あれ・・・考えたのは自分に間違いないし

自分だな・・・と思っていると

ジャイアンが立ち上がり

「ぼくです!」と大きな声で言いました。

すごい・・・

考えたのは自分じゃないのに、

提案者として責任を負う彼の姿からは

後光が射していました。

しかし、先生は

「いや、お前じゃないはずだ!考えたのは誰だ?」

即座に否定し、真の犯人を追及します。

「あ、じゃあ、ぼくです。」

手を上げると

「二人で職員室に来い!」

放課後に二人で出頭しました。

 

ジャイアンは泣いていました。

卑怯者扱い、

行為の正当性の無さを激しく指摘され続けました。

職員室の担任の隣の席の先生は、

ひっくり返された相手側のクラスの担任だったのです。

当人の見えるところで首謀者を叱咤し、

自分の知らないところでの計画であり、

自分は生徒と一緒に加担していないことを

必死でアピールしているようにも思えました。

しかし、実のところ自分はなぜジャイアンが泣くのか

その理由が分かりませんでした。

ぼくたちは、何も間違っていない。

そう思っていたからですが、つい、それが声に出てしまいました。

「間違ってないし」

そして、しっかり先生に聞こえて騒ぎは大きくなりました。

「綱引きの(引き)は引くだろう?!だから押すは間違っているんだよ!」

そこで、職員室にある黒板の空いたスペースに数式を書きました。

1-1=0

唖然とする先生に言いました。

「これは、綱引きの双方の力が1だった場合、綱が動かないことを0が意味しています」

それを見た隣のクラスの先生が

「なるほど。綱引きを数式に換えて説明しているわけだな」

普段から明らかに理知的な感じがしていましたが、

実際、そうだと確信しました。

すると、激情的な担任の先生が

1+1=2

「お前たちがやったのは、これだ。引き算じゃないだろう?!」

しかし、自分がその式の下に

1-(-1)=2

そう書いて

「これは引き算です!ぼくたちは間違っていません!」

担任の先生は一瞬沈黙し、

隣のクラスの先生のつい発したであろう言葉

「なるほどなぁ、それは言えてる!」

これに反応し、怒りはさらに爆発しました。

「そんなのは屁理屈だ!」

「違います!数式です!」

 

ジャイアンが泣いてゐる

先生の罵声の中で泣いてゐる

涙は蕭蕭(しょうしょう)と流れている

ジャイアンは泣いてゐる

(三好達治 風)

 

次男は爆笑していました。

そして、妻に

「ママ!この人、どうにかして!」と言いました。

しかし、

「君にはね、ぼくのDNAが色濃く入っているんだよ」と言うと

「あああああ・・・・」と絶望的な悲鳴を上げていました。

小学生の頃のとても懐かしい思い出です。

 

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