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ミステリと言う勿れ 牛田悟郎

「ミステリと言う勿れ」

放映は終わってしまいましたが

個人的には、

「半沢直樹」や「JIN」に並ぶ面白さでした。

「ミステリと言う勿れ」を観ていない方には

ここからの文章、

よく分からない、と思われ

つまらない、と思われます。

そして、今から観よう!と考えている方には

ネタバレになりそうです。

 

バスジャック事件の後の検査入院でのお話。

4人部屋に1人だったはずが、

夜、気がつくと隣のベッドでは

牛田悟郎という患者さんが本を読んでいました。

全編の中でも、

この第5話が強く印象に残っています。

 

元刑事だった隣のベッドの牛田悟郎は、

刑事時代の同僚だった霜鳥信次の

現職時代の犯罪について

その事実を知りながらつい隠してしまいました。

それから20年以上、

間もなく病気で命を失うであろう今、

「このまま死んでもいいのか?」と

自問自答する中、霜鳥信次が見舞いに現れ、

「牛田さんの治療費を肩代わりさせてください。」

その言葉に、

霜鳥の犯罪を墓の中まで持って行こうとしていた気持ちが変わり、

証拠の手帳やボールペンを警察に送る話。

亡くなった牛田悟郎のいたベッドを見に現れた霜鳥は、

そこで警察に連行されました。

「今まで黙っていてくれたのに、なぜ?!」

久能整からは、

「そういう申し出をされることが嫌いだという事を

あなたが知らないか、忘れていたことが

悲しかったのではないでしょうか?」

 

この言葉の意味が分かるまで

ちょっと時間がかかりました。

(番組を観ていない人にはますますさっぱりですね・・・)

 

病気での末期、

命が尽きそうなタイミングでの見舞い。

面会時間よりも早いタイミングで

「許可、もらいました」と病室に入れるのは

病院のエライ人とつながっていた気がします。

「許可」の言葉で、「そうですか!」と

確認もせずに納得する看護師さんの態度からは、

この病院の上の人たちのルール外の行為は日常的なのかも知れません。

霜鳥は、牛田悟郎の病状をそのルートからリアルタイムで知りつつ

間もなく亡くなるであろう最後の時に、

気持ちが変わらないように、

そして、これまの隠蔽に感謝の気持ちでの

治療費の肩代わりの申し出だったように考えると、

なるほどなぁ・・・・と思うのです。

それまでも見舞いに訪れることはできたはずでも、

「あの事件、お前か?」

そんな会話が出るのを恐れて

ぎりぎりまで意図的に距離を置いていたのかも知れません。

霜鳥信次は、愛人を殺害し、偽装し

羽喰玄斗も殺害の後、別荘の庭に20年以上埋めた犯罪者です。

「優しいやつ」ではあっても、犯罪者。

牛田悟郎は霜鳥信次の「優しい奴」の記憶だけを持って

あの世に旅立ちたかったのかも知れません。

 

当日の朝には亡くなっていた相手とのその夜の会話

実在ではなく、

夢の中で、魂と話していたことになりますが、

病気や犯罪隠蔽で苦悩する牛田悟郎が

最後に楽しそうな笑顔になるシーンは、

亡くなった人を楽に成仏できるように唱える

お坊さんのお経ような感じがしました。

 

マルクスアウレリウスの自省録での

しおりが挟んであったページの言葉

 

正気に返って自己を取り戻せ。

目を醒まして君を悩ましていたのは夢であったのに気づき、

夢の中のものを見ていたように現実のものを眺めよ。

 

正気に返って、

刑事としてのあるべき正義を通す決心につながる一文。

自分に当てはめても

いろいろな意味で厳しいです!

 

最後に、どうしても理解できないところ。

ライカさんは、なぜ、久能整が本を手に入れたことを

知っていたのか・・・・。

本が無ければ暗号は解読できませんが、

温室の床に暗号を書いたままでは、

管理する女性に掃除で消されてしまうはずです。

亡くなった後に

牛田悟郎は、ライカさんに夢の中で

「本、渡したよ。奴は使える!」

そのように伝言したとか・・・・。

スピンオフ等で、

そのドラマがあったらいいなぁ・・・・。

 

ミステリと言う勿れ

次回のスタートが待ち遠しいです。

 

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