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コンピューター ECU 2

純正のコンピューターには、

集積回路が総合的な制御を行っています。

基盤にはそれらの動作をバトンタッチするための

ポートと呼ばれる予備の複数の穴があるタイプがあります。

 

遠い昔、マツダ系の会社員だった頃、

同僚が購入した中古車は広報車でした。

広報車とは、メディア関連のための試乗車で、

程度も良く、価格も相場より安くお買い得でしたが、

エンジンレスポンスが通常の車輛より明らかに良く、

もしや・・・・自動車雑誌等での高評価を得るための

何か特別な何かが施工されているのでは?と疑いました。

しかし、エンジンルーム内を細かく調べても

特別な施工は見当たらず、

正々堂々の広報車だと納得しようとは思ったのですが、

それでも他の車と乗り比べてみると

トルクもレスポンスも違うその車は、

ある日、エンジンがかからなくなってしまいました。

点検してみると、プラグに通電がない・・・

火花が出ず着火できない故障でしたが、

通常、そのような故障では燃料がプラグ先端に付着し、

「かぶる」と言われる状態、

プラグ先端が真っ黒になったり

ガソリンが液状で付着して着火不能になりますが、

プラグはまったく乾いていました。

つまり、燃料も点火も沈黙状態のようです。

サービスマンが悩みながらいろいろと点検していると

突然、エンジンは何事も無かったかのように始動しました。

原因不明のまま故障の症状が消えた車両は

後日、休日で遠方へのドライブの際に再び停止。

路肩で待機すると復活するものの

数時間後にまた停止を繰り返し、

制御系のコンピューターに原因があるのでは・・・・と

当時としてはレアな推測に到達しました。

コンピューターユニットを取り外し

別のコンピューターに交換すると

症状は再発せず、正常に戻りました。

しかし・・・、

交換前に比べると、故障と疑ってしまうほどに遅くなりました。

エンジンレスポンスも明らかに低下し、

そこで、それまでのコンピューターと新旧並べてフタを開けると

広報車のユニットには、追加の基盤が重なった構造で

今では分かるのですがポートから複数の通信線が

基盤に接続されていました。

所有者の同僚は、

「その基盤を次のコンピューターに何とか装着すれば性能が・・・」

あがいていましたが、

どうなるのか分からないそのアイデアには誰も加担せず、

普通の車として修理は完了しました。

あれが「コンピューターチューン」というもので

まったく違う性能が電子的に実現できるのだと

当時、とても驚いたのを覚えています。

 

日産のシルビア系(S15、S14、S13)のコンピューターには

追加基盤が装着できる同様のポートが存在しますが、

スカイラインGTR(R32、R33、R34)は

チップの1つを違う物に交換し、

外部からの制御を可能にしています。

 

 

(続きます)

 

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