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アテーサE-TS 2

BNR32のオーナーさんから

「リアデフ付近からのオイル漏れ」についてのご相談がありました。

通常、最も考えられるのはデフオイルシールの破損です。

デフ両サイドのシャフトが挿入された部分のシールが消耗し

そこからデフオイルが外に出てしまう状態ですが、

会話中で気になったのは「4WDの警告が点灯する」でした。

デフオイルシールからのオイル漏れの場合、

漏れるのはデフオイルであって

これが理由で4WDの警告灯が光ることは無いです。

偶発的に2つのトラブルが並行しているとか・・・・。

リフトアップしてみると

アテーサを制御するための圧力スイッチからフルードが漏れていました。

↑このような部品です。

 

この圧力スイッチの配線が出ている箇所から

キーオンと同時にフルードが漏れていました。

アテーサE-TS専用フルード・・とされていますが

成分は、ほぼATFです。

 

アテーサET-Sのシステムについて

詳細にご説明すると

分かりにくい長文になりそうなのです。

できるだけシンプルに書いてみます。

 

BNR32の場合、

リアデフの上に鎮座しているのが

アテーサE-TSで必要な油圧を作り

それを制御しているシステムです。

先ほどのセンサーは左端の位置です。

 

子供の頃、電車に乗っていると

コンプレッサーが停車中でも動き始める音、

それが何なのか不思議でした。

コンプレッサーは空気を設定上限まで貯め、

圧力がブレーキ等で使用されたり

接合部から漏れたりすることで下がり

設定下限の数値に届くと

再始動を行い上限の圧力まで戻す、

この上下を繰り返していますが、

アテーサE-TSでも、

油圧を同様の制御で貯めています。

その圧力を貯める部品がアキュムレーターです。

〇の部品です。

↑新品の画像です。

 

最近、この部品の故障が目立ちます。

圧力を貯めるアキュムレーター、

一体どのような構造で、

なぜ壊れるのか・・・・・。

そこで・・・

故障したアキュムレーターを切断してみました。

内部を見るまでは、

ダイヤフラムという金属製の板スプリングが使われいるのかと

勝手に想像していたのですがピストン構造でした。

たぶん、ケース先端部(右側)から窒素ガスを注入し

油圧をキープしているものと思われます。

これが壊れる・・ということは、

ガスがシール部からフルード側に漏れ

反力が無くなり圧力を貯められなくなるケースが考えられます。

ゴムの消耗での故障は素材的に回避できないところですが、

ゴムはフルードに接し

フルードによって潤滑性を得ている構造とすると、

アテーサET-S用のフルードを

不定期であっても交換すれば延命できるかも知れません。

同様にアテーサET-S内部には、

圧力を制御するソレノイドもあり、

(この部品、後にご説明します・・・)

これらにも影響しそうです。

 

(続きます)

 

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