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速度取り締まり MSSS

速度取り締まりでは、

光電管式や、最近ではレーザー式もありますが、

昔からのレーダー方式は相変わらずメジャーです。

 

救急車が近づく時と

通り過ぎ離れる時では、

サイレンの「ピーポーピーポー」が

「ピーーーーポーーーーピーーーーポーーーーー」に、

間隔が延び、低音化するのは、

音波が速度の影響を受ける「ドップラー効果」が理由です。

空気の振動による波が「音波」

電磁波の振動による波が「電波」

同じ波である事から、

どちらにも同様のドップラー効果が発生し、

固定された物体に波が衝突した時には

同じ周波数で反射されますが、

動いている物体に反射し発生する変化は、

速度取り締まりでの測定に利用されています。

戻った電波の周波数が正確に変化する事から、

周波数によって速度が逆算できるわけです。

 

数十年前、

初めてレーダー探知機を見たのは

ホリデーオートという雑誌の広告だったと思うのですが

(その頃はネットとか無かったし・・・・)

商品名にXKというアルファベットの二文字がありました。

これは、XバンドとKバンドの2種類の電波の周波数を表しています。

Xバンドは、10.525GHz

Kバンドは、24.100GHz

 

自分の記憶では

当時の電波法の問題で、

Kバンドは日本の速度取り締まりには使えず、

探知機にどちらも受信できる機能があったとしても

Kバンド受信の性能は、当時、意味が無かったのですが、

Kバンドまで受信できる機能が備わっていた理由は、

アメリカでの速度取り締まりの主流がKバンドであったからです。

もしかすると、当時、この機械の販売元は、

アメリカの製品を輸入し、デザインを変更していたのかも知れません。

使えなかったハズのKバンドですが、いつの頃からか、

日本でも使用可能になったようです。

最近では、MSSSというKバンドの周波数を使った可搬式取締機が登場し、

Kバンドの受信性の真価が発揮される今、

受信の機能を有した探知機がなぜか反応しない・・と

ネットでも話題になっているようです。

可搬式とは、速度取締機を設定測定し、

違反の証拠画像等を揃えた後に郵送で違反案内が届く違反検挙の流れで

現地で車両を停めたり、誘導したり、

運転手と話しながら違反切符を作成したりする手間が無く、

停車のための行動で事故等のトラブルを防げるメリットが警察側に大きく、

最近では、その数が増えているようです。

 

ユーチューブでは、

レーダー探知機のメーカー別テストまでアップされ

こちらも話題になっています。

動画がこちらです。 ↓

移動式オービスMSSS対応レーダー探知機 最新型をズラっと並べて反応対決!ユピテルLS1100 セルスターAR-333 2023年 – YouTube

 

同じ電波の受信機でありながら、

ユピテル製では反応し、セルスター製では無反応。

不思議な現象ですが、

その理由が少し分かってきました。

 

Kバンドは、24.100GHzですが、

実は、

24.050GHz~24.250GHzまでの範囲があり、

アメリカでは、24.100GHzが使われて事から

Kバンド=24.100GHzとして認識されているものの、

新型の可搬式では、24.250GHz付近が設定されているようです。

Kバンド対応でも、周波数が異なり

セルスター製が反応しない理由は、この違いにありそうです。

これは勝手な推測ですが、もしかすると、取締機には、

Kバンドの周波数の幅で調整ができるオプションまであったりして・・・

ユピテルは、発信された周波数を実際に測定したのか・・・

情報網の違いがあるのか、

結果として、ユピテルの開発努力が現状では勝っているのは確かで

その数値を受信可能周波数として設定できたユピテル製と

それが無いセルスター製では、機能差が出るのは当然です。

動画では、セルスター製の探知機がMSSSの真横で反応したのは、

例えばラジオチューナーでも、

放送局の正規の周波数と少し違っても音声が聞こえるのと同じ理由で

最も近づいた電波の力が最大の状態であれば、

受信目標の周波数が元々ずれていても

ギリギリ受信できたと考えると納得できそうです。

 

そのような事情ですのでこの新型のMSSSに対しては

従来のレーダー探知機はまったく無力です。

速度取り締まりでの検挙数が6倍になったと

関東圏の新聞報道を読んだ記憶がありますが、

固定式オービスはGPSを装備したレーダーで無力化され、

レーザー式も探知機が次々と新製品が事前受信を可能にした中、

この機械が威力を発揮している現状がありそうです。

 

少し前に登場したレーザー式の可搬式取締機に比べ、

MSSS取締機の価格は400万円くらい安いらしいです。

重量も軽く、消費電流も小さく、

レーザー式の可搬式取締機を買った警察は、

 

「しまった!もうちょっと待てば良かった!!!」

 

と・・・思っているかも知れません。

 

不確かな情報ではありますが、

北海道、山形、茨城、埼玉、千葉、岐阜、山口、香川では

目撃例があり、

広島も近く導入される噂があります。

 

参考まで・・・

昔々、オービスについて肖像権について裁判が行われ

最高裁では、

「事前に取り締まりを告知しても法定速度を順守しない違反者については

肖像権を超えて撮影をしても合法」

と・・・・判決を出していますが、

その中に、「無人」の一言が入っている事で、

測定場所に人がいる場合には、判例には該当しないとする考え方もありますが、

誰かが、可搬式についても肖像権で裁判を起こし、

判例から無人の文字が無くなった場合の取り締まり側のリスク回避から

「速度違反自動取締中」の看板等が置かれる可能性は高く、

普段は無い場所に

違和感の大きな看板があったら注意するのが無難です。

 

速度違反しなければいいじゃん!

 

そのような正論の前では、

これまでの文章すべてが無力であります。

 

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