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燃料ポンプ2

BNR32のセッティングで、

ブースト0.8kg/cm2を超えたくらいから空燃比が薄く、

プログラムの数値を変更してもまったくそのままの状態で悩んだ事があります。

 

なぜ?

 

オーナーさんのお話では、

燃料ポンプもフィルターも交換済みとの事。

体感では正常に走行できるのですが、

以前から気になっていた言葉を思い出しました。

 

「ぼくのGTR、燃費が良いのですよ。10km/Lはいきます!」

 

日常的にゆっくり運転で

走行距離も短い車両なので圧縮が高く良好・・・・、

それにしても燃費が良すぎ。

そして、セッティング中に思っていたのはトルクが小さい事でした。

これは、やはり燃料ポンプかフィルターが怪しい・・・。

そこで、ポンプとフィルターの交換時期と

ポンプの製造メーカー、吐出量などの情報をお尋ねしたところ、

車輛を中古で購入した際に「交換済み」との口頭での説明で

記録簿も無く、実は詳細は不明でした。

 

これは・・・怪しい・・・・。

 

そこで、修理とテスト兼ねた燃料ポンプ交換のご提案、

効果が無ければ元に戻し工賃も無料で大丈夫。

ポンプやフィルター不良での燃圧低下が原因であれば

これ以外での解決方法はありません。

 

BNR32の燃料ポンプはガソリンタンクの底部に取り付けられています。

稀に作業をしようとフタを緩めるとガソリンがあふれる事があります。

直前に、給油口ぎりぎりまでガソリンを入れたケースで、

「恐怖」「汚れ」「もったいない」が並走します。

参考まで・・・、ステージアにRB26DETTが搭載された260RSは、

ガソリンタンクには、BNR32用が使用されています。

そのため、燃料ポンプもBNR32用です。

 

早速、燃料ポンプを取り外したのですが、

見るからに古い・・・・。

燃料ポンプには、ガソリンを吸い込むフィルターがありますが、

それが、真っ黒でした。

「俺は疲れているんだよ・・・」と話しかけているような風貌

間違いなく新品とは違う状態、

早速、交換しました。

 

これまでの苦労を無視するように瞬時で改善。

空燃比の改善のためにテストを兼ねての数値が入力されていたため、

高回転、高ブースト時では、マフラーから黒煙が目視できる状態に復帰し、

そこから数値を薄い方向に変更、

ノッキングデーターもノックセンサーのグラフ化で確認、

完了に至りました。

 

一度捜索があった場所に隠れるのは

ドラマなどでの犯人の常とう手段ですが、

まさにそれです。

 

(続きます)

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