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ブースト圧

ブースト圧について多いご質問です。

 

HKS製ブーストコントローラー

「EVC7」と「EVC-S」による

ブースト圧の設定が同じであれば、

出力も同じではないか?

それなら、安いEVC-Sの方がコスパが高いのでは?

 

このご質問は、ブースト圧についてのシステムを

良く理解されていると思います。

参考までHKS製ブーストコントローラーEVCの価格は、

EVC7は、¥75,000(税別)

EVC-Sは、 ¥49,800(税別)

この差は大きいです。

 

「NA」と呼ばれる自然吸気システムのエンジンでは、

シリンダー内のピストンの上下による容量分の空気を吸い込むのに対し、

ターボチャージャーなどの過給機のあるエンジンでは、

NAエンジンでの自然吸気量に加えて

過給機によりたくさんの空気を押し込むため、

圧縮は上がり、燃焼室内の酸素量も増える事から

大きな出力を得る事が可能になります。

ブーストコントローラーは

純正での目標の最大過給圧を変更し、

より高い圧力の空気をエンジンへ送る調整を行っています。

ブースト計を装着する際には、

通常、インテークマニホールドやサージタンクから

ジョイント等を介してホースを接続し、

得られた空気圧でメーターを作動させますが

実はブースト計に表示された数値は、

エンジンの燃焼室に押し込まれた空気量では無く、

インテークの圧力を表示しているだけなのです。

 

この文章、実に意味が分かりにくいです。

自分も初めてこの理屈を説明された際、

理解するのにしばらく苦しみました。

例えて表現しますと、

(この例え方が正しいとはさらに断言できないのですが・・・・)

水道の蛇口につながったゴムホース内の圧力と

ホース先端から出る水量、

ダムの水位とダムの放水量の関係に似て、

エンジン入口のインテークマニホールド圧が高くても

エンジンに取り込まれる空気量は異なるという理屈です。

インテーク圧に吸気の絶対量が比例しない理由の一つに、

エキゾーストマニホールド(タービン側)の内圧による抵抗があります。

最大ブースト圧の制御は、タービンの回転数の制御と同じで

具体的には、排気バイパスと呼ばれるタービンを通らない

別コースへの通気量の調整で行われます。

タービンの羽根を回転させる排気ガス量の調整部分にはバルブが装着され

目標の過給圧に到達する少し前から通路は開かれタービンの回転数を制御しますが、

重要なのは、この「制御の滑らかさ」です。

ブーストコントローラーは

空気の通路を意図的に妨げたり、外に逃がしたりしていますが

その操作が滑らかでない場合、

排気バイパスのゲート部分の動きもバタつき

排気を押し戻し、エキゾーストマニホールド内で逆流現象を起こし

エンジンからの排気を妨げる状態は吸気を妨げ

この時、マニホールド圧は上がりブースト計は高い数値を示し

エンジンに入る空気量とマニホールド圧が比例しない状態は

常時発生している事になります。

余談ですが、

ウエストゲートと呼ばれるブースト調整のためにエキマニに装着される部品は、

エキマニから少し離れた箇所に装着される構造が多いのですが、

調整時に発生する逆流の影響を避けるのがその理由です。

 

そのような理由で

EVC7とEVC-Sでは、

空気の機械的な制御方法とプログラムの違いから、

特にハーフアクセル時の吸気と排気が不安定に動く際

大きな性能差が出る事になります。

EVC7にその優位性は分かりやすくは記載されていない理由は

自社製品のEVC-Sを落とすのも理不尽で・・・・

と、個人的には思っています。

では、廉価版を生産する理由は、

これらの分かりにくい事情を知らない人は多く、

他社製の廉価版のブーストコントローラーが売れる事へ

経営的な対策・・・・は、

また個人的に思っているだけですが・・・・。

 

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