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日別アーカイブ: 2022年2月23日

速度取り締まり4

速度の測定方法では、

レーダー派の特性を利用するタイプが一般的です。

電波は移動する物体に当たると

周波数が速度に影響されて変化する特性があります。

ドップラー効果というこの現象を利用し

戻って来た電波の周波数で速度を計算する方法です。

電波は遠い先まで届きますが、

そこまで測定範囲を広げると対象車両が複数になり

限定が難しくなるため

意図的に受信感度を下げて特定を行うのですが、

そのため、電波は届くが測定されない領域が発生します。

これを受信するのがレーダー探知機です。

しかし、後に「狙い撃ち」という測定方法が登場します。

速そうな車が近づくまで電源を切っておく手法です。

当時、探知機装着車が次々と検挙されたのを覚えていますが、

後に「違法」として法的に禁止された姿を消しました。

理由は「使用前検査」が無いからです。

測定を開始する前に機材が正常に動くことを確認する検査義務があり、

電源を切ってしまうと都度必要な再テストが無い使用方法で、

これを省いた計測は、法的にNGになったのです。

そこで、電源を入れて、電波は発射されているけれど、

本体前に金属でカバーを施し電波を出さない方法が登場します。

スティルスと呼ばれています。

直前で電波を照射するため、

測定場所と取り締まり場所が離れた2点式になります。

2点式の場合、車両情報を離れた場所に伝える必要があるため

有線か無線で連絡が行われます。

この無線を傍受する機能もレーダー探知機に装備されている機種は多く

通常の警察無線ではないためデジタル暗号化されていませんので

車両情報等を伝える音声が聞こえた場合、

近くで取り締まりを行っている可能性が高いことになります。

しかし、有線では、まったく役に立たない機能です。

また、スティルス方式では、

近づくにつれて電波が強くなる通常方式とは違い

急激に強い電波が届くため、

レーダー探知機によってはこの入力の波形の違いを認識し

「スティルスです!」と警告音を発するタイプもあります。

 

光電管式は、赤外線を発射し、道路のセンター側の反射板で戻す

マラソンや駅伝のゴールのテープのような状態を

数メートル離れた箇所に二つ作り

その間の平均速度を測定する方法です。

電波は使わないのでレーダー探知機は無力ですが

これも2点式の取り締まり方法で、

無線受信で情報が得らえる可能性があります。

 

そして、可搬式速度取締機ですが

測定にレーザーを使用しています。

なんと「光」です!

波長は違いますが、光も電波も波で

当然、同じようにドップラー効果が発生します。

光ですので、電波を受信するレーダー探知機は無力ですが、

このレーザーに対しても受信能力を有した探知機が登場し

当然、従来の電波や2点式での無線の受信機

GPSによる固定式のオービスの位置情報や

地元の人なら知っている系の取り締まり頻度の高い場所の情報

以上を含めた機種が最近の主流になっています。

 

メーカーでの性能の違い等については

所見が入ってしまうため

ここでは書き難く・・・・

お問い合わせください。

 

速度取り締まり3

無人の固定式速度取り締まり機では、

当人に無許可で撮影を行うことを抑制する肖像権の問題で

裁判になった経緯があります。

結果、明らかな速度違反については

肖像権よりも速度違反の検挙が優先・・・の判決が出たのですが

その際に、

「無人速度取締機設置路線」の表記を行うことが

警察の責務を言わざるを得ない・・・みたいなオマケが付きました。

「ここで速度違反の撮影やってるから速度を落とすんだよ!」と

注意をされても、それでも速度違反を行ったら

肖像権よりも撮影する権利が優先されます!みたいな話です。

そのようなわけで

この可搬式でも、直前での取り締まり告知が法的には推奨になるのですが

問題は、先の判例での「無人速度取締機設置路線」の「無人」です。

可搬式は人が操作するので「無人」ではありませんから

判例が適用されるのかどうかが曖昧のようです。

 

この可搬式オービスは、

何かを購入する際にありがちなセットでの製品です。

その中には「速度違反自動取締中」の予告看板が含まれているそうです。

これは、肖像権については裁判への対応のための「一品」ですが、

人が操作することで、もしかすると看板は不要である可能性があります。

しかし・・・・セット内には含まれていることから

メーカーも、取り締まる側も、はっきり分かっていない領域かも知れません。

そこで、裁判になった際にも大丈夫のように

看板提示が現状では実施されているようです。

もし、誰かがまた裁判を行い

「有人であっても、事前に取締を告知」なんて判決が出たら

全国的にやりにくくなるのは間違いなく、

今は新型登場の時期でもあり事前告知看板を提示する流れで、

普段は見慣れない「取締中」の看板を見たら

これは絶対要注意な状況であると思われます。

いつかある日・・・

全国的に、同時に看板提示を止める時期が来るかも知れませんが

速度違反以前に、大前提は事故をしないことです。

事故すると大変です。

相手側がある事故であれば特にやるべきことは多く、

当然、大事な大事な自らの車にも損傷を受けますから。

 

速度取り締まり2

幹線道路に多い固定式オービスは

設置と維持に多大な費用がかかり、

地元民は場所を覚え、

レーダー探知機はGPSで存在を通知する現状では、

採算の難しい機材になってしまったのかも知れません。

「警察の公務に採算ベースの考え方はない!」と思いたいのですが、

以前、ネット詐欺関係で被害に遭遇した際、

「予算が認められたら調べられるんだけど・・・」と

担当の人がこぼしたのを覚えています。

あるのかなぁ・・・・そんなことも・・・・・・。

通常の取り締まりの機械もそれを探知す機械も高性能化する中、

探知機では検出できない電波不使用の光電管式は

相変わらずの強さを持っています。

事前の察知が難しい取り締まり方法ですが、

測定に多くの人員を必要とし

測定値を違反者に納得させる必要もあり、

同様に手間がかかり、

裁判では数値誤差で敗訴した歴史もある

取り締まる側のも精神的に辛いところが多い手法とも思われます。

 

そこで・・・少人数での取り締まりが可能で

測定場所を選択しやすい可搬式が登場しました。

測定に問題の無い場所であれば

簡単に設置し速度の計測が可能になり、

撮影した画像には、車両と速度がセットで印刷されています。

2点式の取り締まり方法で使われる場合もありますが、

後からハガキが届くケースもあり、

どちらかと言えば、この方法のための機械のように考えています。

「出頭せよ!」

写真撮影の内容も記載されていると思われ、

これを無視することは法的にも問題が有り、

そして、ある程度の覚悟を以て警察署に出向くわけですから

取り締まり側には優位な状況が作り出されるはずです。

弁護士を連れて行くツワモノもいるかも知れませんが

オービスについては

昭和52年に肖像権と合わせた裁判があり、

そこでは条件付きで合法性が認められていますので

もしも異議申し立てから裁判に移行した場合は、

勝てる可能性があるとすれば以下の内容になりそうです。

 

これまでの固定式に対しての

可搬であることによる設置誤差や

固定式とは違う機種の違いが争点になると思われますが、

機種の誤差については当時よりも科学レベルが上がった今の方が性能は高く、

裁判での想定問答を前提とした機能や実証も有しているはずで、

勝訴できる可能性は低いと想定されます。

しかし、当時の裁判では、

助手席の人物までの撮影を無許可で行っても合法とするための

条件が付きました。

これは、現在の可搬式オービスの運用にも影響を与えているようです。

 

 

(続きます)

 

 

 

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