オフィシャルブログ

日別アーカイブ: 2022年3月22日

R35GTR バッテリー交換

R35GTRのバッテリーは意外と弱く、

新車時にもっとゴージャスなタイプを装着すれば良いのに・・・

と、思ってしまいます。

クラッチの無い構造上、

充電力を失ってセルモーターが始動しなければ、

押してエンジンを始動させる強制的な方法もNG、

お手上げ状態になってしまいます。

そのため、バッテリーの管理はとても大事です。

最近の車は、GTRに限らずバッテリーを取り外すと

何かしらのトラブルが発生するケースが多く、

最も無難に安全に作業を行うために、

バッテリーの端子からケーブルを取り外す際に

バックアップ電源を供給する便利な製品を接続すれば安心です。


便利ですが

プラス端子側のボディへのショートには要注意です。

ボディはマイナスですので。

 

経験則になりますが、

R35で多いバッテリー交換時のトラブルは

エアバックのコンピューターの故障です。

なぜそうなるのか分からないのですが、

バッテリー交換後にエアバックの警告ライトが点灯し

故障診断では、エアバックの項目にNCが表示されます。

ノンコネクションとか・・・そんな意味らしいですが

つまり、接続できません!状態です。

GTRを扱う他の店舗の人との会話でも

同様の事例は多く、

最近では、バッテリーを交換する前、

電源オフの状態で

事前にエアバックコンピューターのカプラーを外すようにしています。

(先ほどのバックアップを使用しない場合です)

場所はリアシートの中央部のカバーの下側です。

これを外します。

上に引っ張ると比較的簡単に外れますが

爪が折れないように注意が必要です。

 

エアバック用のコンピューターです。

前側の3つのカプラーを外します。

 

こんな感じです。

バッテリー交換後にキーオフの状態でカプラーを戻しています。

以来、同様のトラブルは無くなりました。

 

バッテリーの交換を行っても

コンピューターのメモリーは残っているのですが、

念のため、

空燃比学習クリアと電子とアクセルペダルの位置学習、

吸気量学習を行っています。

アクセルペダルの位置学習については、

故障診断機が無くても作業可能です。

1.アクセルペダルを踏まない(全閉)状態で

2.キースイッチをONにして2秒以上待ちます。

(メーターパネルのエアバックの表示が消えるタイミングで見ています)

3.キースイッチをOFFにして10秒以上待ちます。

(メーターパネルのすべての表示が消えるタイミングで見ています)

4.上記の作業を3回繰り返します。

5.以上でアクセルペダルの全閉を記憶しますので次に全開について

6.キーオフの状態でアクセルペダルを全開にします。

(当然ですが、エンジンは始動していない状態です)

7.キースイッチをONにして上記と同じく2秒以上待ち

8.アクセルペダルはそのままでキースイッチをOFFにして10秒以上待ちます。

以上で完了です。

R35のオーナーさんは、

これだけでも行ってみると、

アクセルの感じが良くなる場合があります。

 

バッテリーには、高性能タイプの選択がお勧めですが

この「高性能」について・・・・。

常々思っているころですが・・・・・  (久能 整 風)

詳しい方、飛ばしてください!

 

バッテリーは電極の金属が希硫酸に溶けたり戻ったりすることで

電気を放電したり貯めたりします。

寿命があるのは、この金属が疲れて・・・

元の場所に戻れなくなり、労働力が減るからです。

(上記の表現には問題がありますが・・・)

 

昔、バッテリーの極板は、

アンチモンという素材で作られていました。

(今もありますけど・・・・)

よく分からないメーカー名の廉価版では、

このアンチモンが使われている製品が多く、

「安い!」と思って買っても短期間で使えなくなることがあります。

そこで、極板にカルシウムを含んだ金属を使用し

耐久性を上げたタイプが登場しました。

当初はマイナス側だけで、

半分なので、ハイブリッドバッテリーと呼ばれるタイプですが、

ハイブリッド車用のバッテリーではないです。

やがて、プラスもマイナスもカルシウム合金製が登場し、

さらにガラスマットに液を染み込ませて

放電や充電の効率化と電極を守る構造に進化し、

ついには、発生した酸素を化学反応で水に戻し

補水を不要にしたタイプまで登場しました。

注意が必要なのは、

この水が減らないタイプは化学反応で気体を液体に戻すため

反応速度よりも多くガスが発生すると爆発する危険性があり、

多くの電流を流して早い充電時間を目指す急速充電は

絶対にNGということです。

 

この高性能バッテリーについて

ここからは自分の所見ですが、

GSユアサのエコRという紫色のタイプをお勧めしています。

それ以外もいろいろと試してみたのですが

個人的な悪い評価は、青い色のバッテリーです。

値段はすごいのですが・・・・。

 

バッテリーを高性能化し、

電気を安定させると

顕著に性能が発揮されそうな場所はイグニッションコイルです。

コイルでは、誘導電流等で電圧が上がりますが、

倍率で数値が決まるため、

電圧が0.1Vでも違うとプラグへの電圧は大きく変化し

着火力が向上します。

そして、最近の車でそれ以上に効果がありそうなのが

オルタネーターの制御です。

電気を作る発電機をオルタネーターは、

エンジンのパワーを利用するため負荷が発生します。

もし、バッテリーにたくさん電気が貯まり、

さらなる充電が急務で無い場合には発電を止める・・・

オルタネーターはただ回転しているだけの状態で、

負荷を低減し、燃費を向上させる・・・・

このような優れたシステムが最近の車には採用されています。

そのため、バッテリーの高性能化は、

オルタネーターが休んでいる時間を増やし、

得られる利点が大きいことになります。

バッテリーからの電気の出入りを検知するセンサーは

マイナス端子側に装着されていますので

マイナス端子に不思議なセンサーが取り付けられていれば

車輛にそのシステムが装備されている可能性が高いです。

 

ところで、車両の発電機を

「オルタネーター」と呼んだり「ダイナモ」と呼んだりしますが

この二つは、同様に電気を作りますが構造が違います。

ダイナモは直流発電機ですが、

オルタネーターは最初は交流で発電し

内部で大きなダイオードを通して直流化します。

途中で直流にするなら最初から直流の方が効率的みたいですが

プラスとマイナスが交互に入れ替わる交流は

発電後の電極等の回路を均一に消耗し、

効率の面では、特に回転速度が低い時に

直流よりも交流の方が大きな発電が可能で、

最近では、オルタネーターが主流になっています。

余談であります!  (笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近の車の多くはオルタネーターの電流制御が行われています。

 

イグニッションコイルの構造

Translate »