日産ディーラーの営業の人がカタログを持って来ました。
表紙が固い高級そうなバージョンです。
新型のフェアレディZ。
価格は500万円を少し超えるらしいけど、
「え?予想よりも安い!」
不覚にも思ってしまいました。
R35が1000万円を超えて、
ニスモバージョンは2500万円を超えて、
そんな車の価格を聞き慣れてしまったためでしょう。
即断で買えるような金額ではないのに
一瞬でも「安い」とか思った感覚はまさに幻です。
車って、高いですね。
軽自動車でも200万円超えもあるし、
すごい金額ですが、
しかし、支払い場合の多くは分割で
「総額」ではなく「月額」で考えると
なんだか買えてしまうのが
実は自分のマジな体験です。
遥か昔、
世の中に突然登場したBNR32は
まさに驚愕の車でした。
ブリスターフェンダーのデザインや
2600ccツインターボ装着のエンジン、
穴のあいたブレーキローター
そして、通常はFRであっても
リアが滑るとフロントに駆動が入る特殊な4WD。
欲しい!
人生の中でこの時ほど欲しいと思った車は無いと思います。
そして、気になるのが価格。
調べてみると・・・・
と言っても、当時はインターネットとか無く
あくまで人からのうわさのような情報からですが、
諸費用をすべて含めるとどうやら500万円を超えるらしい。
無理。
絶対無理。
買えない車。
そう自分に言い聞かせたものの
夢に見るほど願望は膨らみ、
まずは、正確な値段を知りたい・・・・
それから、考えるフリをしてからあきらめよう!と
自分でも分からない理屈で日産ディーラーに電話しました。
匿名です。
自分の名前は伏せて値段だけを質問したのですが、
やはり金額は500万円超え、
納期は半年以上、
「無理」を確定させました。
しかし、その電話から1時間後、
日産ディーラーの営業の人がカタログを持って来ました。
どうやら会話の中で、
こちらを特定するようなワードがあったらしく、
新型Zとまったく同じクォリティのカタログ。
せっかく・・・
自らを制していたのに
購入欲が再爆発。
そして、至った言葉。
「総額ではない。月額こそすべてだ。」
買いました。
そして、自分の車なので
サーキットに行きまくり
何度も壊して分解しまくりました。
まさか・・・
あの頃の経験が今を大きく変革させるとは
当時はまったく思いませんでした。
あの頃は、
世の中が後になるほど良くなると
多くの人が錯覚していた時代です。
給料も上がり、
真面目に勤めていれば仕事を解雇されることなどなく、
ローンなんて平気!
そう思っていたのですが、
後にバブルが破綻し、
世の中がめちゃくちゃになり、
冷や汗を経験しました。
遠い昔のお話であります。