R35GTRの初期型で顕著に増えた故障に
AVユニット関係の電子部品のトラブルがあります。
MFD(マルチファンクションディスプレイ)から表示が消え、
真っ黒、真っ白、ノイズで画像が見えなくなり、
症状は、いくつかに分かれますが、
同時にエアコンが作動しない・・・
温度調整ができず固定になる・・・、
故障の原因を分類すると
MFD
エアコン等の基本的な動作は可能で
走行には特に異常もなく、ただ画面が映らない・・・
エアコンユニット
エアコンが効かない、冷風が出ない・・・・
AVユニット
画面が真っ白やノイズで表示されない・・・
スタートのGTRの文字が一瞬で消えてしまう
エアコンが効くが温度が固定されてしまう
症状によってどこが壊れているか・・・の判断ができそうです。
大問題は、
MFDとAVユニットが生産中止になっていることです。
メーカーに修理を依頼しても期間不明で、
唯一、エアコンユニットだけは3万円以下の価格で健在です。
AVユニットが不調のままでは、
こちらでの経験則ですが、
吸気量学習ができなくなったことがあります。
R35は走行しながら
排気ガスに残留する酸素量を検知し、
ガソリンと空気の割合=空燃比を
ECUのプログラム内の目標値に近づけるよう
コンピューターがインジェクター作動時間を制御しているのですが
これが曖昧な状態になってしまうと
エンジンの耐久性へのリスクが大きくなります。
ですが・・・
部品がなく、
修理もできない・・・・。
八方ふさがり状態です。
こんな時に頼る先は長野県方面です。
ネコ・コーポレーション。
金子社長さんに
表向きは「お問い合わせ」という「お願い」のメールを連続し
すると・・・
「みんながしつこいから、直せるようにしたよ!」
そのような返信がありました。
半導体を独自に入手し、修理方法を確立できたそうですが・・・・
すごいですね・・・・。
搬送の旅で遠出する際、
大きくてきれいな架橋など見ると
あれって・・・・・
どんな人たちがどんな技術で設計建設しているのだろう?
専門の領域に携わっている人たちの世界
想像すらできませんが、似たような感じで、
ネコ・コーポレーションでは、
金子社長さんの頭の中で
数名のエキスパートが集まって協議して
新しいことが進んでいるような気がします。
少し前に入庫したR35は
短期間でバッテリーが完全放電してしまう症状でした。
新品バッテリーでも1週間で完全放電状態でしたが、
キーオフ状態でAVアンプが7A(アンペア)の電流が
常時流れているような状態でした。
レアなケースですが、
これも内部構造の故障が原因です。
この症状がスタートしたきっかけは、
電動ファンの修理だったそうです。
その際、おそらくバッテリーを外す作業か、
何らかの電気的な開閉があった可能性がありますが
実は通電のオンオフ時には
突入電流やサージ電流という瞬間的な高電流や逆電流が発生し
電子部品を破損するケースがあり、
この関連については整備書にも記載がない場合が多く
対策の製品作成を試行錯誤中です。
修理による修理は避けたいものです。