燃費を向上させるためには、
空気に対してのガソリンの比率を下げる方法が
安易に頭に浮かびます。
BNR32を購入した頃、
当時はコンピューターのプログラムを変更する技術は無く、
仕様を伝えて変更されたロムのコンピューターユニットに交換する
いわゆる通販方式のロム変更を行っていました。
「セッティング」ではなく「交換作業」です。
金額はなかなかに高額ですが、
プログラムを変更するような技術が無ければ
その行為は、雲の上の世界の出来事です。
ブーストも上げるのでついでにインジェクターも交換しよう!
燃料が多く必要であることくらいは分かるので
偉くなった気分で「インジェクターの容量アップ!」と
交換作業は比較的簡単ですが、
問題はプログラムです。
例えば、375ccのインジェクターから555ccへの変更であれば
単純には、噴射時間を375/555倍する必要があります。
(実際には、この計算に諸々の補正値が上乗せされますが・・・)
その仕様を記載して、通販ロムのメーカーさんに注文すると
届いたコンピューターには「SPL」のステッカーがありました・・・。
SPL・・・
「スペシャル」⇒「特別」
とても嫌な予感で伝票を見ると15万円・・・・。
インジェクター交換仕様で数値が特別の意味でしょう・・・
スペシャルだから仕方ないのかと自らに納得させて
車輛に装着し実走。
マフラーから黒煙を吐き出しながら
体感的ですが、純正よりも遅い・・・・。
そして、その後に分かったのが燃費の激しい劣化。
リッター4~5kmくらい。
加速性能よりもガソリンメーターの落下速度の方が速いとか・・・。
スペシャルな価格でこのアンバランスな状態は・・・・。
ちなみに、マフラーから出る黒煙は
基本的にはHC(炭化水素)で、
状況によっては、これって燃えるのです。
つまり、燃料を捨てていることになります。
燃焼室で意図的に燃料を余らせて
ガソリンの気化熱で燃焼温度を下げるガス冷却のために
使われたガソリンは必要な無駄ですが、
それ以上に入ったガソリンは
燃焼温度を必要以上に下げ、逆にトルクを減少させ、
余ったガソリンがシリンダー内壁の油膜を希釈し
ピストンに消耗を与えるケースもあります。
それでも、プログラムの製作側からすると
エンジンが壊れるよりも燃費が悪い方を選択するのは当然で、
通販タイプのプログラムの問題点がここにあります。
(続きます)