商品の仕入れで発生した金額を月末にまとめて合算(締)し
翌月末に支払いするお金の流れを「末締め末払い」と言います。
クレジットカードでのお買い物が
翌月にまとめて口座から支払いされるのと同じ流れです。
仕入れるお店側としては、
月末の仕入れよりも月初の仕入れの方が支払いまでの期間が長く
入金と支払いの調整での余裕が増える経済的な考え方もあります。
この一時的に立て替えて営業に使うお金の操作を「資金繰り」と言います。
銀行などの金融機関から融資を受ける資金繰りもあります。
当然、すべての会社に資金繰りは発生しますので、
こちらの仕入先にも同様に月内売上を確定し伝票を発行できると
資金繰りが楽になります。
いろいろな会社で、月末までの目標値を設定し
それに向かって頑張らなければならない理由はそこにあります。
ですが、過度の個人的な努力は、
体力を含めた疲労以外に、ある弊害を発生させます。
それは「対前年度比」という怖い制度です。
「去年はこれだけ売ったのだから今年はその10%増し」
個々の目標値は上げられ、
今のがんばりが来年の自分を苦境に追い込みます。
今日は褒められても、来年の今日は叱られる可能性が上がるわけです。
それでも、その努力が明らかに評価される職場であれば
がんばる人も多いのかも知れませんが、
月末に目標値を達成した段階で売上の隠蔽が始まるケースがあります。
つまり・・・売れているのに会社には報告せず「隠す」のです。
そして、翌月に入ったところで、
「今、売れました!」感を出しながら、売上を翌月に移動させるのです。
これを「来月勘定」と言います。
略して「来勘」です。
会社がこの販売方法を公に認めている場合もありますが、
個人的な隠蔽を伴う「来勘」も・・・
たぶんあります。
この月末の売上隠蔽は、
日常化すると、上司にもバレます。
なぜなら、毎月、
「目標値を少し超えた売上額」
「目標値に達しない」
この二択になるからです。
「大幅に目標を超える」が出ないのです。
そこで、ある営業所の上司は
月末が近づくと、営業マンの引き出しを開けて
売上を隠していないか・・・確認します。
個々の営業マンが目標値を達成しても
営業所全体での数値が足りないケースがあるからです。
某大手のチューニング会社の営業担当者さんは
月末に注文を入れると
「来月の伝票でもいいですか?」と言う事があります。
「なるほど!優秀ですね!ノルマ達成ですか?」
「そうです。来年の自分をいじめたくないので」
ですが、今月は、
「何かないですか?注文分、隠してないですか?」と言っています。
ミスター来勘も、今月は苦戦しているようであります。